2014年9月18日木曜日

安藤七宝店 おもてなし留学レポート - part1


 
 

 その① 七宝焼ってなんだろう??

 

 さてさて、おもてなし留学の2日目、朝から日差しの強い銀座を歩き2人が訪れたのは、1880年創業の七宝専門店「安藤七宝店」です。

 みなさん、七宝ってなんだかわかりますか?七つの宝なんのことでしょうか。

 

 七宝焼とは、金・銀・銅・鉄などの金属製の下地の上に、釉薬(色ガラスの粉末に水や糊を加えてペースト状にしたもの)を乗せ、高温で焼くことで美しい彩色を施す日本の伝統工芸品のことです。宝石を材料にして作られることから、七宝と名が付いたという説があるそうです。これから、この七宝焼の魅力について教えていただき、安藤七宝店のおもてなしを体験させていただきますよ〜!

 


その② 安藤七宝店にて七宝焼の世界へ

 

 お店を訪ねると、中へと案内してくれたのが安藤さん。2人は緊張しながらも自己紹介を終え、まずは七宝焼についての説明を聞きます。

 七宝焼には様々な技法があり、作品によって質感や表情、色彩がずいぶん違います。



 
 


その中のひとつである有線七宝という技法を用いて作る過程を、順を追って詳しく説明していただきました。

 
【花瓶の制作過程について説明を聞きます。】




【細いリボン状の金属を下地に貼り、その中に釉薬を乗せていきます。表面には繊細な金属の線が現れ、とても美しいです。】
 

今度は実際にお店に置かれている作品を間近に見せながら、七宝焼の魅力についてお話してくださる安藤さん。職人さんによる細かな行程とこだわりについて聞きながら、

高校生2人も思わず「キレイ」とため息。

 

 

 

その③ 七宝焼体験(1)(長いので分けます。)

 


 

 七宝焼について少し知ることができたところで、今度は実際に七宝焼の体験をさせてもらいます。ワクワクしながら、お店の裏へと案内してもらうと、そこには本日の体験の1人目の先生、鈴木さんの姿が。鈴木さんは普段は商品の管理等のお仕事をされている社員さんですが、この日のために、職人さんから各行程について詳しくレクチャーを受けてきてくださったそう。簡単な説明を聞き、さっそく体験に入ります。

 今回体験させていただく七宝は、先ほどの有線七宝とは違い、リボン状の金属で仕切りをつくらない技法だそうです。はじめに大小や形の様々な銅板から好きなものを選び、乗せる釉薬の色をイメージします。2人はクマやリボンなど、それぞれに気に入った型を選びました。次に釉薬です。釉薬にはさまざまな色がありますが、その中でも透明なものと不透明なものとあり、組み合わせれば出来上がりの色合いは無限大!オリジナルの七宝焼になります。




 さて、この釉薬を乗せる行程ですが、やってみるとこれがなかなか難しいようです。
 

【釉薬にはたくさんの種類が。どんな色にしようか、悩むなぁ。。】 







【型を選んでこれから作業開始!】

 

 

作業を始めると、集中してめっきり口数が減る高校生2人。真剣な表情で釉薬を乗せる行程を進めていきます。






【選んだ銅板の上に、少しずつ釉薬を乗せていきます。慎重に慎重に。】

 






 ひととおり釉薬を乗せ終えると、高温のオーブンにて焼く行程へと移ります。今回使用するオーブンは小さく、持ち運びができそうなサイズですが、職人さんが工房にて使用するオーブンは、壺や花瓶なども焼けるような大きなものだそうです。
 

【今回使用させていただくオーブン。中は800℃を越える高温になります。】

 

 実はこのオーブン、小さくても約800℃もの高温で焼くことができます。釉薬のガラスが溶けるまで高温にすることで、下地に美しい彩色を施すことができるんです。

 

この行程ですが、オーブンに入れる時間や温度によって、同じ色の釉薬でも焼き上がりの表情が変わってしまうそうです。想像したとおりの色になるかなぁ〜?とワクワクしながら焼き上がりを待ちます。また、オーブンに入れる回数は一度だけではなく、一度焼いたものの上にさらに何度も釉薬を乗せて焼くことを繰り返します。溶けたガラスがどんどん重なって厚みがでてくるのですが、この繰り返しによっても、色の出方が変わってきます。

 これらの変化を考えながら美しい彩色を出すことのできる職人さんたちがいかにすごいのか、実際にやってみて体感する2人。貴重な経験ですね。

 
今回の投稿はここまでと致します。
次回の出来上がりをお楽しみに!
 

0 件のコメント:

コメントを投稿